消費期限切れや消費期限内に変色した肉は食べられる?肉屋が徹底解説!
賞味期限と消費期限の違いは?
消費期限が切れたら食べられないの?
変色したら期限内でも食べちゃダメ?
日々、お客様からこんな疑問が数多く寄せられています。
そこで今回お話させていただくのは…
- 賞味期限と消費期限の違いとは?
- 消費期限が切れた肉は食べられないのか?
- 消費期限内でも変色した肉は食べられないのか?
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賞味期限と消費期限の違いとは?
「賞味期限」は比較的品質が劣化しにくい食品に表示される期限で、「美味しく食べられる期限」です。
賞味期限…定められた方法により保存した場合において、期待される品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいいます。部分肉など、比較的品質が劣化しにくい食肉に表示します。
「消費期限」は品質が急速に劣化する食品に表示されている期限で「安全に食べられる期限」です。
消費期限…定められた方法により保存した場合において、腐敗・変質その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれが無いと認められる期限を示す年月日をいいます。精肉や副生物など製造日を含め、おおむね5日以内で品質の劣化がみられる食肉に表示します。
加工していないお肉は多くの場合「消費期限」が表示されています。
消費期限切れの肉は食べられない?
期限が切れた瞬間(日付が変わった瞬間)に突然腐って食べられなくなる…なんてことはありません。
期限はあくまで日本食肉加工協会が定めた期限表示フレームを参考に、各販売店が設定した「目安」みたいなものです。
精肉の期限表示フレーム【冷蔵部分肉】
販売時の形態 | 保存温度 | 牛肉の可食期間 | 豚肉の可食期間 | 鶏肉の可食期間 |
---|---|---|---|---|
肉塊 | 10℃ 4℃ 0℃ | 3日 6日 7日 | 3日 6日 7日 | 1日 4日 6日 |
スライス | 10℃ 4℃ 0℃ | 3日 6日 7日 | 3日 5日 6日 | 1日 4日 6日 |
ひき肉 | 10℃ 4℃ 0℃ | 2日 3日 5日 | 1日 3日 5日 | 1日 2日 4日 |
多くの販売店はこのフレームをもとに期限を設定しています。
しかし、加工場の温度管理や衛生管理の状態・売り場の温度や陳列状況にも左右されますし、商品の積み込み・荷下ろしの際に長く常温にさらされることもあります。
特にお客様が商品を買ってご家庭の冷蔵庫に入れるまでに時間がかかればかかるほど、品質はどんどん劣化していきます(特に夏場)。
つまり、管理状態が良ければ期限を過ぎていてもあまり劣化していないこともありますし、たとえ期限内でも劣化していることもあるということです。
期限が過ぎても変色&酸っぱいにおいがなければ大丈夫ですよ!保証は一切いたしません(笑)
消費期限内でも変色した肉は食べられない?
管理状態によっては期限内でも劣化してしまうことがあります。
ただし、変色にもいくつかのパターンがあり、問題ない色とヤバイ色があるので気をつけましょう。
変色の正体はタンパク質に含まれる「ミオグロビン」です。
ミオグロビンは空気に触れることで鮮やかな赤色に発色し、さらに酸化することで緑色から灰色へと変化していきます。
肉が重なっている部分や仕切りバラン・トレーと接している部分は「変色している」のではなく、空気に触れていないため「発色していない」だけなので、劣化しているわけではありません。
- ミオグロビン(暗赤色)…問題なし
- オキシミオグロビン(鮮やかな赤色)…もちろん問題なし
- メトミオグロビン(灰褐色)…おすすめできません!
消費期限内でも「におい」があったら食べられない?
実は牛肉の場合、わりと変色しててもちゃんと焼けば食べられるんですよね(保証は一切いたしません)
昔はよく「腐れかけが一番うまい」なんていって食べていましたよ?熟成肉みたいなもんです。
ただし!異臭がするお肉は一番危険です!
「ちょっと酸っぱいにおい」ならまだしも…ツンと鼻につく「アンモニア臭」はアウトです。
すっぱいにおいのするお肉は食べないようにしましょうね。
商品劣化の大きな原因
商品を見ていると「すでに変色が始まっている」そんなお肉を見かけることがありませんか?
期限内にもかかわらず、ちゃんと冷ケースに陳列されているのになぜ品質劣化が始まっているのか?
そのひみつは「原料肉の期限表示」にあります。
部分肉(原料肉)の期限表示フレーム【牛肉】
包装形態 | 保存温度 | 可食期間 |
---|---|---|
真空包装 | 0℃ 2℃ 4℃ -15℃以下 | 61日 45日 26日 24ヶ月 |
当然、販売店が仕入れた原料肉にも期限があります。
仕入れた原料肉を当日加工&当日販売した場合は非常に鮮度が良く、長くもつ商品になります。
その反面、仕入れて2週間・3週間たった原料肉だとどうでしょう?
どちらのケースも商品として陳列された場合「同じ消費期限」で販売されることになります。
なぜなら「精肉の期限表示フレーム」を参考にした消費期限を記載するからです。
多くの場合、仕入れたばかりの新鮮なお肉も、仕入れて3週間たったお肉もラベルに表示されている消費期限は同じです。
こうして消費者にはわからない、数字では見えない「鮮度の違い」が生まれ「期限内でも鮮度が悪い」もしくは「期限切れでも鮮度が良い」という状況が発生するのです。
ですから日ごろから期限だけでなく「色・におい」で鮮度を確認することをおすすめします。
消費期限が切れた時の対処法
期限表示フレームを見ても分かる通り、傷みやすいのは「鶏肉>豚肉>牛肉」です。また食中毒のリスクと症状の重さでも「鶏肉>豚肉>牛肉」となります。
牛肉は「すっぱい匂いがないか」、鶏肉は「変色していないか」をチェックしましょう。
牛肉の変色に関してはあまり神経質にならなくても大丈夫ですよ。
消費期限が1日過ぎたら?
まずは変色がないかチェックしましょう。鶏肉や豚肉は黄色くなっていたら危険です。すでに異臭があることが多いです。
多くの場合、傷みが遅い牛肉と豚肉は1日くらい平気なことが多いです。
※鶏肉は注意
消費期限が2~3日過ぎたら?
鶏肉の場合は傷んでいる可能性が高いです。変色、匂い、粘りがないか入念にチェックしましょう。
牛肉はおそらく変色はしていると思いますが「すっぱい匂い」がなければ大丈夫です。ただし中心部分まで良く焼いて食べましょう。
消費期限が5日過ぎたら?
鶏肉は迷わず捨てましょう。豚肉でもよほど鮮度と保存状態が良くなければ傷んでいることが多いです。牛肉だけは元の鮮度が良ければ食べられる可能性があります。
ツンと鼻につくアンモニア臭がないか、粘りがないかを入念にチェックして下さい。そして中心部分まで良く焼いて食べるようにして下さい。
消費期限が1週間過ぎたら?
迷わず捨てましょう。真空パックでもない限り傷んでいます。ましてや家庭用冷蔵庫の設定温度では(たとえチルド室でも)、1週間ものあいだ鮮度を保つことはできません。
豚肉と牛肉なら食べられる可能性はゼロではありませんが、全く保証できません。
早めの冷凍保存
期限内に消費できないのであれば早めに冷凍保存することをオススメします。鮮度が良い状態で冷凍保存すれば1ヶ月くらいなら味は落ちません。品質は落ちますが6ヶ月くらいまでは大丈夫です。
ジップロックにいれて空気に触れないようにしてくださいね。
期限切れでも食べられることが多い
消費期限とは「1日くらいなら大丈夫」とか「2日はギリOK!」とか「さすがに3日過ぎたらアウト」とかありません。
あくまで「目安」であり期限内であろうが期限切れであろうが「色」と「におい」は確認して食べるようにしましょうね。
※期限切れでも食べていいとは一切いっていない(笑)
それでは!正しい知識で新鮮なお肉を!うちゃもんちでした!